(またもや)突然の韓国行きの理由



今年度に入ってから、日常の会話や講義の中で、いつまでも「昨年、韓国に行った時に…」と言い続けている自分がイヤになる瞬間が多々あった。私の社会学者の(特殊な)こだわりから来る感情なのだろうが、古いデータを語っていること自体に、何となくではあるが “虚しさ” のようなものを感じていた。

昨年の訪韓時、韓国藝術総合学校音楽院の閔庚燦(ミン・ギョンチャン)教授との再会が実現し、閔先生から貴重な日本大衆文化開放の情報を得た上、日本大使館公報文化院(日本文化院)の孔章源(コン・チャンウォン)さんを紹介していただき、ここで、「日本音楽情報センター」(通称、J−POPセンター)の存在を知ることとなった。また、韓日文化交流會議の李惠美(イ・ヘミ)さんからは、日本留学時の貴重な体験を語っていただいた。

昨年の訪韓で得られた情報と、私の進めている文化の理論化作業を元に、昨年11月25日、日本社会学会大会(於、一橋大学)での「日本大衆文化開放のアンビバレンス」と題した報告をするに至ったが、その内容も、日進月歩の国際情勢の中では普遍性を持たない。持つわけがないのである。

温故知新というべきか、とにかく学問というものは、過去を忘れてはならないが、過去におぼれてもいけないものだと思い、またもや急に(突発的に)、訪韓を思い立ったのである。

しかし、二度と昨年の失敗は繰り返したくないものである。実は、昨年の訪韓、当初はあまりに突然すぎて自分でも気付かなかったのだが、韓国滞在の曜日設定を大きく誤ったのである。木曜日(4月5日)に韓国入りし、月曜日(4月9日)に帰国するというスケジュールだったため(これにしても、日曜日に帰国しようとしたら、その日のフライトがすべて満席だったため、月曜日にずれ込んだだけ)、実際にインタビューのために動けたのが金曜日(4月6日)だけだったのである! あとで昨年の「韓国珍道中」を読んでもらえるとわかるのだが、私のインタビューは金曜日1日だけに集中してしまったのである。よって、次の約束を気にしながらの慌しい作業となってしまい、貴重な情報を提供してくださった方々にも申し訳ない思いがするばかりである。

今回は、月曜日(9月2日)に韓国入りするのだが、いつも利用しているユナイテッド航空のフライトスケジュールが大幅に変わっており、さらに朝早いフライト&夜遅いフライトの料金が安いということもあり、今回もスケジュールは過密になりそうな予感がする…。

帰国して、このサイトが完成した時、どんな珍道中が紹介されるのか、自分でも楽しみではあるが…。