極寒のソウルから帰還!日本のタクシー、恐るべし!



昨夜、帰国の準備をしていて驚いた! いつの間にやら(またもや?)、持ち帰るものが増えてしまったのである! さらに、スーツケースにも入りきらない状態。仕方なく、私の荷物を同行者のスーツケースにも入れてもらったが、お互いのスーツケースの収容能力に限界があり、さらに預け荷物の重量オーバーにならないように…ということもあり、機内持ち込み用荷物を(姑息な手段で)限度まで増やすことにし、何とか荷物の問題をクリア。その時点で、時刻はすでに3時を回っていた! タクシー運転手の金光哲(キ・グンチョル)さんには「7時にホテルに迎えに来てください」と伝えておいたため、何が何でも6時過ぎには起きていなくてはならない。睡眠時間が3時間もない状態でとうするか? 「今夜は眠らずに、そのまま7時前にホテルをチェックアウトする」「とりあえず、寝られるだけ寝る」と、答えは2つに1つ。我々は、何の迷いもなく後者を選んだ。

朝6時、目覚まし代わりにセットした私の携帯電話から「摩訶不思議アドベンチャー」が流れた! 私はそこで目覚めたが、同行者がなかなか起きられない様子。同行者は後でまた起こすことにし、私は私で身仕度を調え始めた。6時半前、同行者を再び起こし、身仕度をさせた。そして6:50、6泊お世話になったサボイホテルをチェックアウトし、金さんの到着を待った。金さんは約束通り7時に現れ、そして我々の荷物を見て、一瞬ひるんだ様子…。無理もない。我々のスーツケースは、それぞれ20kgギリギリぐらいに中身を詰め込み、さらに手荷物が4つあったのだから。そこへ、金さんが段ボール箱いっぱいの韓国ノリと、奥さんが漬けたキムチをくださったため、さらに荷物は増えてしまった! タクシーのトランクに荷物が入りきらず、ちょっとトランクが開いた状態になってしまった。そこで、フタが開かないように固定するバンドを使うことになった。

金さんが「今日のソウルは寒いですよ! 今、マイナス11度ですから」と。たしかに、昨日の寒さなど比べものにならないくらいに寒い! こんな日にアチコチ歩き回ったら、体が凍り付いてしまうのではないかと思えるほど寒かった。しかし、この寒さとも、あと数時間でおさらばだ! でも、韓国には、もっと滞在していたかった。あっという間の6泊7日だった。

車中、金さんが「飛行機は何時ですか?」と尋ねてきた。「11時(半)です!」と答えると、「このままだと、仁川空港には7:45には着きますよ! それから3時間以上、何をしてますか?」と質問してきた。いや、空港ではやることがいっぱいあるのだ! 3時間以内に終わるかどうか…。

仁川国際空港チェックインカウンター前にて(この荷物の多さ!?)金さんのおっしゃる通り、タクシーは7:45に仁川国際空港に到着した。金さんとの別れを惜しみ、空港内に入ると、アシアナ航空のカウンター前には長蛇の列! まず、第一関門はこのチェックインをクリアすることである。第二関門が、セキュリティチェックと出国審査の列をクリアすること。ホテルを出るのが1時間遅かったら、おそらく “ものすごく” 慌てたことだろう。何しろ、荷物が半端じゃないくらい多かったのだから…。

チェックイン時に、「一体、我々の荷物はどのくらいの重さにまでなったのだろう?」という不安が募った。私のスーツケースをカウンターの計量器に載せた時、23kgと表示された。「まずい…」と思い、同行者のスーツケースを載せる時、私も一緒に載ってみた! カウンターの職員がかなり驚いていたが、上手くごまかせた。とりあえず、オーバーウェイトとはみなされずに済み、無事にチェックインは終了した。それから、持っていたウォンをすべて日本円に両替した。46万ウォンを銀行の窓口に出すと、5万2千円になって帰ってきた。今まで、1万ウォン=千円という計算が一般的だったが、円安の関係でそのバランスが崩れてしまった。まぁ、日本円に切り替える私としてはラッキーだったのだが…。

そして、空港内のロッテリアで朝食をとることにしたが、ウォンをすべて両替してしまった我々…。おまけに、ロッテリアではクレジットカードが使えない。仕方なく、国際キャッシュカードで日本の口座からウォン建てで引き出すことにした。2万ウォンを引き出し、意気揚々とロッテリアへ! 私は「韓国でしか食べられないものを…」と思っていたので、「プルカルビバーガー」なるものを注文した。が、レジのお姉さんは後方を見て「プルカルビバーガーは、ちょっと時間がかかります。大丈夫ですか?」と聞いてきた。どうやら、プルカルビバーガーのストックがなかったらしい。何が何でもプルカルビバーガーを食べて帰国したいと思った私は、「大丈夫です!」と答えた。すると、お姉さんがマイクに向かって「プルカルビバーガー、1つ」とキッチンに注文を入れた。すかさずキッチンから「ありません!」と即答! 日本なら、5分かかろうが作るところだが、韓国では「無いものは無い!」と即答してしまうのだなぁ…と、ちょっと感心してしまった(別の意味で)。無いと言われては仕方がない。プルコギバーガーに注文を替えた。

仁川国際空港の出発ロビーは3階なのだが、我々は最後に空港からエアメールを送るつもりだったので、朝食後に2階の郵便局に向かった。が、営業時間が9時から…我々が郵便局に着いたのが8:40…。ちょっと待つことにした。待つ間、封筒を閉じるための糊を買いに、私は空港内のコンビニに走った。途中の書店で朝鮮日報を購入し、同行者の待つ2階へ戻った頃に、ちょうど郵便局のオープン時間となった。そして我々は、郵便局内に数え切れないほどの糊が置かれている状況を目の当たりにして愕然とした。

郵便局での用事を済ませ、出発ロビーに戻った我々は、セキュリティチェックにも長蛇の列が出来ているのを見て、「もう、並ぼう!」と決意した。並んでいる最中、私の荷物が異常に大きいことを不審に思った空港係員が「荷物の重さをチェックします」と言ってきた。「まずい! もはや、我々の努力もこれまで…」と思った次の瞬間、係員は自分の腕に荷物を引っかけ、ちょっと持ち上げてみて、「はい、大丈夫です!」と言いながら荷物を私に返してきた。最大の難関をクリアしたような気がした。そしてその後、我々二人はX線チェックで手荷物が引っかかり、中身をチェックされることになったのであった。

それでも、セキュリティチェックを何とか乗り切った我々は、出国審査の列に並び、帰国することを物理的にも実感する瞬間を迎えていた。次はいよいよ私の番…というところで突然、韓国人の4人お父さん、お母さん、子供3人)の家族が韓国語バリバリで「すいません、日本の方(=我々)。飛行機の時間が近いので、先に(出国審査を受けても)よろしいでしょうか?」と言ってきた。人情的に断るワケにもいかないので、「どうぞ!」と順番を譲った。審査のカウンター前に「一人ずつ」と書かれているのに、この家族は全員で審査を受けようとしていた。その時、審査の係員がお父さんに何か言っているのが見えた。そして、お母さんがお父さんに「あのカウンターよ!」と語気を荒げて言っているのが聞こえた。どうやら、お父さんだけ出国カードを書かないで来てしまったらしい。慌てて出国カードのあるカウンターへ走り、カードを書き上げて審査カウンターに戻ってきたお父さん…。本当に私の番がきた時、カウンター前にカバンが1つ置き忘れられているのを発見した。そのカバンを手に取り、「カバンがあります!」と係員に言うと、「いえ、カバンは結構です」と言われてしまう。どうやら、私が自分のカバンを申告しているように思われてしまったらしい。仕方がないので、カバンをあった場所に戻し、出国審査を終えたのだが、念のため「このカバンは誰のですか?」と係員に尋ねてみた。すると、やっと私の言っている意味を理解してもらえたようで、「さっきの男性…」と係員が苦笑いし、「そのままで結構です」とため息混じりにつぶやいていた。私が審査を終えた時、“あの” お父さんが慌ててカウンターに戻ってきた。相当慌てているらしく、どのカウンターにカバンを置いたのかわからなかったらしい。私の目の前を通過してしまい、別のカウンターに入っていこうとした。そこで私が、「アジョシ(おじさん)! カバンはここにありますよ!」と大声で教えると、またもや慌てた表情でカバンのところへ行き、それを手に取るやまたもや慌てて搭乗口方面へ行こうとしていた。すれ違いざま、「ありがとう!」と言われたが…。あのお父さん、後でこっぴどく叱られたんだろうなぁ…。
仁川国際空港はラッシュアワー?
我々は荷物が多かったので、まっすぐ搭乗口へ向かうことにした。我々が搭乗口前に到着した時には、まだ飛行機はそこになかったが、窓の外では離陸のラッシュアワーだったようで、数珠繋ぎに飛行機が滑走路前に止まっていた。それは、次から次へと、時間にして20分くらいは続いていた。何だか、飛行機が鬼ごっこをしているようで、面白かった。最初は韓国のキャリアだけの鬼ごっこだったが、香港やベトナム、フランスにアメリカなどの飛行機も仲間に入って、なかなか壮観であった。飛行機好きにはたまらないシチュエーションだった。

アシアナ航空104便アシアナ航空104便の機内食さて、我々の乗るアシアナ航空104便は、定刻の11時半にタキシングを開始し、その15分後に離陸した。仁川から一旦西の海に出て、そこで180度旋回、韓半島を横断し、慶州(キョンジュ)あたりから東海(トンヘ=日本海)に抜け、山陰から大阪や名古屋、静岡上空を抜けて成田へ向かうルートをとっていた。水平飛行になって、機内食が運ばれてきた。飲み物のオーダーで、私はまたもや迷うことなく7UPを注文した。その時、気流の関係で飛行機が揺れ始めた。相変わらず同行者は揺れにやられてしまい、食欲が失せてしまったようであるが、私は “慣れ” もあって食欲は落ちず。同行者が残した機内食まで平らげてしまった。

アシアナ航空104便は、予定通り13:25に着陸。シャトルで本館に渡り、入国審査を受け、預け荷物を受け取り、税関を通過し、晴れて日本に戻ってきた! 成田空港の気温は7.9度とあった。「ソウルより、20度近く暖かい!」というのが、偽らざる我々の心境だった。

さて、家に戻らなくてはならないが、荷物が多いので、JRではなくリムジンバスでYCAT(横浜シティエアターミナル)に出る方法を採択した。横浜駅から我が家まではタクシーを利用することにしていたのだが、JR駅からタクシー乗り場へ行くのには、何度もエスカレーターを経由しなくてはならず、大変なので、タクシー乗り場に直結しているYCATに向かうほうが物理的にも楽で、経済的でもあるという利点がある。おまけに、普段なら90分かかるルートが、何と70分で到着してしまったというオマケ付き! YCATからタクシーに乗る時、「ジャンボタクシーが来ないかなぁ…」と思っていたが、来るのは一般的なタクシー車両のみ…。我々の荷物の多さに「もしかしたら、2台のタクシーに分乗するハメになるかも…」と心配したものの、タクシーの運転手さんは「いや、大丈夫ですよ!」とトランクへ能率的に我々の荷物を収納してしまった! いやぁ、日本のタクシー恐るべし! 韓国珍道中の最後は、日本のタクシーに感激して終わりを告げたのであった。何だかなぁ…。

さて、今回の渡韓でも、様々な情報を得てきた。後日、「最新情報」のページで紹介することにしたいが、今は「渡韓の余韻に浸りたい」という思いが強いようである。