波乱は続くよ、どこまでも(?)
          ―まさに “珍道中” とはこのこと?



夜中、同行者が体調不良を訴えた。そして、何度も苦しそうな状態が続いていたので、ちょっと寝ては起きて様子を見て、また寝ては様子を見て…という状態を続けた。朝になって、同行者の体熱がかなり高いことと、胃腸の具合が良くないことが判明した。それで、ちょっと部屋を出て、薬局へ向かった私…。薬剤師に同行者の体調を話したが、日本でのように思うようにスッと伝わらない。そこへ、薬剤師さんが助け船を出してくれた。「咳はありますか?」「ありません」「鼻水は出ますか?」「出ません」という具合。おかげで、キチンと胃腸運動調整薬と解熱鎮痛剤を購入することができた。その足でコンビニに寄り、ポカリスエットやミネラルウォーター、パンなどを買って帰った。部屋に戻ってすぐ、同行者に薬を飲ませるが、まずは効能書きのチェック! 私の経験上、どうも韓国の薬は効きの強いものが多いので、最大服用許容量を調べておかないと、あとで大変なことになる。そして、水分を適当にとらせ、就寝させた。

ところで、今日の14時からは、昨日のうちに予約しておいた映画『青燕』(チョンヨン)を観に行くことになっていた。が、この分では同行者が映画を観るのは無理とみた。そこで、COEXモールのメガボックスに単身で乗り込み、リザベーションコーナーへ並ぶ。自分の番がきて、「このチケットは変更できますか?」と聞くと、「変更は、階下のゲストサービスコーナーでお願いします」とのこと。そして、そのゲストサービスの窓口に行くと、「ここではなく、向かいのブースでお願いします」とたらい回し。が、結果的には明日のチケットに変更できた。私ひとりで観るよりも、同行者も一緒のほうが、あとで話題を共有できるし、なにより喜びも共有できる…という次第。

その後、ホテルで寝ている同行者に電話をしたりメールを送ったが、応答なし。「こりゃ、早く部屋に戻らなきゃ!」と、急いで地下鉄に乗って明洞に戻った。ホテルに戻る前にコンビニに立ち寄り、アイスクリームやフルーツジュース、私の昼食などを購入した。同行者から「自分の熱は、体の芯にこもりやすい」と聞いたので、「それなら、アイスクリームで解熱できるかも…」という安易な発想だったのだが、思いのほか同行者に喜ばれた。

今日は、昨日とは一変して天気も良く、暖かであったが、フィールドワークは諦め、COEXモールから帰ってから18時半まで同行者の看病に当たっていた。

18時半ちょっと前に部屋を出て、フロントへ。そこにはすでに、今日お会いする約束をしていた韓日文化交流会議事務局の李鎭夙(イ・ヂンスク)さんの姿が…。昨年末まで、韓日文化交流会議事務局を訪ねる際は李惠美(イ・ヘミ)さんが私と会ってくださったのだが、その惠美さんが退職され、昨年9月からは李鎭夙さんが事務局に入られたとのこと。惠美さんは、私が初めてお会いした2001年時点ですでに結婚されていて、来月が出産予定とのこと。それでは私と会っていただくワケにもいかず…。その事実は昨年末に事務局に電話した際に鎭夙さんから知らされていたのだが、それで今回、鎭夙さんが会ってくださるということになったのである。初対面ながら、話がはずむはずむ! ホテルのフロントで「何が食べたいですか?」と聞かれ、「何でも良いですよ!」と答えてしまった私…。この答えが一番困ることを知っているのに、「○○が良いです」というアイデアが浮かばなかったのである。何しろ、鎭夙さんとお会いするまで、看病をしていたのだから…。それで「今回、ソルロンタンは食べましたか?」と質問され、「あっ、まだ食べてないですね!」と答えると、シンソンソルロンタンという店へ行くことに…。その店のソルロンタン、ものすごく美味い! ソルロンタンも美味しかったが、大根のキムチも美味しかった。食事をしながら、2005年中の日韓交流に関するデータをいただく。また、日韓の抱える問題点や韓国人の日本(人)観なども討議し、食後にスターバックスへ移動して、なお討論は続いた。ふと気が付くと、時計の針は21時を回っていた。あっという間の2時間半であった。得るものも多く、この出逢いに感謝した。

部屋に戻ると、相変わらず同行者の体熱がすごかった。タオルを水に浸し、しぼってその額に載せた。何か食べたいものがあるかどうか尋ねると、ヨーグルトと水が欲しいと言う。そこで、コンビニまでひとっ走り買い物に出た。物価が安いので、ちょっと多めに買い込んだ。コンビニを出ると、アホな日本人女性が往来で叫んでいた。「テメェのほうが来いよ!」と叫びながら、仲間に羽交い締めにされながらも右手中指を立てていた。そして、「あのオッサン、FUCK YOU!って言ったんだ! テメェのほうこそFUCK YOU!だ」と何度も何度も叫んでいた。私の横を歩いていた女性が「あぁ、日本人の恥…」とつぶやいていた。いや全く…、その通りだと思う。

再び部屋に戻ると、同行者は睡眠中。タオルをまた水で浸し、冷たいタオルを額に載せた。明日は体調が回復するのだろうか? それだけを願いつつ、このサイトを更新している。

…ということで、本日は写真を1枚も撮っていないので、ちょっと寂しいページとなった次第である。