踏んだり蹴ったり揺られたり引きずられたり



ついに、韓国珍道中 “本格” 始動である! 昨夜は興奮のためになかなか寝つけず、ちょっと寝入ったかと思いきや、“あの” 謎の集団のことが思い出されて目が覚めて…。それにしても…あの集団は、食べるだけ食べたら、すぐに店を出て行ってしまったのである。店内滞在時間、約40分…って、バイキングの意味がないような…。

それで、結局は5時前から着替えだの洗顔だのをして、ひたすら時の経つのを待った。同行者には、またもやエライ迷惑をかけたような気がするが、いた仕方ない。

6時に部屋を出て、チェックアウトする。空港への無料バスは6時半発なのだが、昨年の例だと “かなり” 座席争いが激しかったため、念のために早め早めに行動していた次第。が、この努力は空回りに終わった。それ以上のことは言うまい。

成田空港第2ターミナルのアシアナ航空チェックインカウンター前空港に到着し、アシアナ航空107便のチェックインカウンターへ走る。同行者を置き去りにした私…。しかし、この107便は結構人気があるため、早く並ばないと同行者と席がバラバラになるおそれがあった。チェックインカウンターが開くのが7:20であることは、昨年の経験から知っていた。空港に我々が到着したのが7時前。まだ20分も余裕があったが、私の気持ちに余裕はなかった。事実、私が場所取りのためにスーツケースをカウンター入口に置いた数分後、長蛇の列が出来上がっていた。チェックイン時にスターアライアンスのマイレージ積算を依頼する。その際、「本日は、入国審査が混み合うおそれがありますので、なるべく早めに搭乗口へ移動してください」と教えられる。手荷物検査場でかなりの列が出来ているのを見た。我々は「急げ!」とばかりに列に並んだ。そして、あっという間に搭乗口に到着した。

アシアナ航空107便の機内食アシアナ航空107便にてアシアナ航空107便は9:25出発で、登場開始はその30分前の予定であった。そして、予定通りに登場開始となり、さらに予定通り9:25にタキシングを開始した。離陸し、水平飛行となったところで、いきなり機内食の登場! 「お飲み物は何にいたしますか?」と聞かれ、迷わずに私は「7UPお願いします!」と宣言! 同行者も私にならった。機内食は、カレイの韓国風煮つけをメインにしたもの。心地よいピリ辛で、かなり美味だった! 早起きし、朝食を我慢した甲斐があったというものである。気流が不安定でガタガタと機体が揺れ、同行者はかなりしんどい状態になっていたのだが、そんなことに気を遣う暇もなく、私は機内食を完食! その後、予定よりたった5分遅れ(予定では、12:05到着)で仁川(インチョン)国際空港に着陸した。

ソウル地方は昨日、雪が降ったそうな。そして、機内では「現地の天気は曇り」と言われていたが、我々が到着すると太陽が顔を見せ始めた。当初予想されたような寒気も回避されていたようで、「えっ、今の気温は1度? 思ったよりあったかいなぁ!」と、同行者と声を掛け合った。

仁川空港にて、携帯電話からメールを送るこの日のため(?)に6月から機種変更しておいたボーダフォン3G携帯電話は「ソウル市内のみで使用可」と聞いていたが、仁川空港ですでに使用可状態となっていた! その電話で日本の友人たち(ただし、スカイメールの送れる者に限る)に到着報告メールを送った。その後、入国審査も何もかもがスムーズに進み、あっという間に到着フロア出口へ。フロアにあるミニストップでリップクリームを購入し(韓国は気温が毎日0度前後のため)、金光哲(キム・グワンチョル)さんに電話して、模範タクシー乗り場へ向かった。しかし、そこへ至るまでのタクシー乗り場での客引きのしつこいこと。私は「友達を待っているんだ!」とか「友達と約束があるんだ!」「友達がここに来るんだ!」「結構!」などと断り続けたが、たまに韓国語の全く出来ない同行者がターゲットにされてしまい、その “救出” に少々手惑うことも…。それでも、何とか無事に金さんと約1年ぶりの再会を果たした!

ソウル市内へ向かうタクシー内で、「実は、同行者が韓国で(目の前で肉を焼きながらハサミで切ってくれる)焼肉を食べたいと言っているので…」と金さんにお願いし、気の利いた焼肉店(要するに、日本人相手ではない店)に連れて行ってもらった。メニューは当然ハングルのみ。日本語なんて全くない! そこで、金さんと私とで適当なものを注文することになったのだが、サムギョプサルと生(セン)カルビ(味付けのないカルビ)を注文すると、「今日はカルビがない!」と言われてしまう。そこで、カルビを諦めて牛ロースを頼む。が、これらは予想を遥かに上回る美味! 同行者も、「韓国に来て数時間で願いが叶うとは思わなかった!」と感激していた。

焼肉に満足してタクシーに戻ったが、私がタクシーに乗ろうとしたら、パソコンを入れたバッグがシートに倒れてしまい、それを起こしてから乗り込もう…としていたら、急にタクシー出発! 一瞬、何が起きたのか理解できなかったが、次の瞬間「このまま引きずられ、どこまで行くのだろう?」という恐怖心が込み上げてきた。が、同行者が私の事態に気付き、声を上げ、金さんはブレーキを踏んだ。「いえ、(私は)もう乗り込んでいたので、大丈夫ですよ!」とは言ったが、この事件で私は腰をひねり、ヒザもしたたかドアにぶつけた。キチンとタクシーに乗り込んで落ち着いた私は、「まぁ、これはこれで…サイト更新のネタになったし」と、ふざけたことを考えていた。

そんな珍道中の果て、サボイホテルに到着したのが15時過ぎ。フロントで名前を告げ、今年の1月5日に作ったホテルのメンバーズカードを受け取った。部屋に荷物を置いて、サイトチェックとメールチェックをしながら、渡韓目的の1つである「韓国内で放映されている日本アニメ鑑賞」をする。相変わらず「クレヨンしんちゃん」は人気があるようだ。その時、同行者の声がしないことに気付いた! ふとベッドに目をやると…、すっかり眠りの森に迷い込んだ同行者の姿が…。「ホテルに着いたら、すぐに行動を開始する!」と伝えておいたハズだったが、このところ寝不足だったらしく、起こすのも申し訳ないような寝顔だった。とりあえず、Tマネーカード(JR東日本のSuicaのようなもの)と今日付の新聞を入手したかったので、寝ている同行者を部屋に残して外出した。Tマネーカードは私には本来必要のないものなのだが(発売終了となった交通カードを持っているため)、同行者の分がどうしても必要だったので、販売箇所であるGS25(ついこの間までLG25という名前だった)へ向かった。最初に入ったGS25で朝鮮日報を手に取り、レジで「Tマネーカード、あります?」と聞くと、「ないです!」と即答される。「なら、どこの店で売ってるの?」と聞くと、「あっちのGS25!」と即答される。それで、「あっちのGS25」へ向かおうと思ったが、新聞を手に持って入店すると万引きに間違えられるかも知れない…と思い、一旦ホテルに戻って新聞を置き(この時点で、まだ同行者は眠りの森の中)、改めて「あっちのGS25」へ向かった。そしてレジで「Tマネーカード、あります?」と聞くと、「はい、あります!」と即答される。「じゃあ、2枚!」と言うと、カードタイプのものを持ってきた。「携帯電話のストラップタイプのものはないの?」と聞くと、「はい、あります!」と即答される。1個8000ウォン(800円程度)であるから、2個で16000ウォン。そして、それぞれに1万ウォンずつチャージしておいた。が、このTマネーカード、ホテルでは「外国人は利用しても意味がないです」と言われた。しかし、私のように、朝から晩まで地下鉄やバスを乗り換え乗り換え移動する私には、Tマネーカードなくしてソウル滞在は出来ないのである! そして、その私に同行する者にとっても、Tマネーカードは必要不可欠のツールである。

ホテルに戻ると、まだ同行者は眠りの森…。だが、徐々に意識を取り戻してきた。そして、せっかくソウルに来ているのだから…と、軽く(あくまでも、私にとっては…の話)ホテルのある明洞(ミョンドン)周辺を歩いてみることにした。まず、GIORDANOでセーターとシャツを購入し、そのまま明洞地下街に向かい、いつものハーバードメガネでまたもやメガネを作る。そして、ロッテ百貨店でPS2「サルゲッチュー」の販促イベントを覗き、鐘路(チョンノ)の永豊文庫(ヨンプンムンゴ)へ。同行者はマンガに詳しいので、今回はマンガやアニメの確認がすぐ取れて楽である。マンガ売り場で私にはわからないマンガの内容・評判などを教えてもらいつつ、「あぁ、これが昨年までに実現していたら、どんなに研究が楽に進んだことか…」とため息をつく。が、その遅れは、今回で取り返せばいいのか…と。

ロッテ百貨店裏庭に突如現れたサルゲッチュー!永豊文庫入口にて韓国でも、『電車男』が話題になりつつあるらしい

明洞ミリオレでキムパプを食す(これで2人前、5500ウォンなり!)鐘路から地下鉄1号線でソウル駅に出て、4号線に乗り換えて明洞へ戻る。「夕飯を食べてから帰ろう」ということになり、駅前(駅上?)のミリオレの7階にあるフードコートでキムパプ(海苔巻き)を食す。ここは、絶対に…と言って良いほど日本人がいない! すべての表示がハングルのみで、注文のシステムも初心者にはちょっと対応しにくい。私はとりあえず初心者ではなく、ハングルの心得もあるので、単独での珍道中の際も、よくこのフードコートで食事をしていたものである。同行者はソコギキムパプ(牛肉…というかソーセージの海苔巻き)、私はモドゥンキムパプ(直訳すれば、いろいろ海苔巻き)を注文した。2人で食事して、5500ウォン…要するに、550円で満腹になってしまったのである! こうやって私は、いつも美味しい料理を安く切り上げているのだが、「日本語の通じる店には行かない!」と言っていた私の信条を同行者は痛感したに相違ない。

ホテルに戻り、韓国芸術総合学校の閔庚燦(ミン・ギョンチャン)教授に連絡する。年明けにお会いする予定だったのだが、「明日、大学に行く用事があるので、明日はどうですか?」と提案され、急きょ明日の訪問が決定した。年内は仕事をしないつもりだったのだが、これで1つ本来の目的が終了する。年明けは楽にスケジュールをこなせそうである。

気分を良くしてサイトの更新をしている私の横で、電気ポットがいきなり「ジュボボボボ〜ッ!」とお湯を吐き出し始めた。ポットに水を入れすぎたのか、それとも故障か? とにかく、私の周りでは色々な珍現象が起きる。日本だけではなく、韓国内でも…。