アンニョン ソウル!



いよいよ、帰国の日である。7時に起き、身仕度を調え、7:50にチェックアウトを済ませた。その際、「メンバーズカードって何ですか?」と尋ねてみた。すると、「えっ? まだメンバーになられてなかったんですか?」とフロントスタッフ。「もう、15年前からこのホテルを利用してますけれど…」と私。その場でカード発行の手続きを取ったが、カードは次回の宿泊時に渡されるという。

8時ちょっと前、金さんのお友達であるタクシー運転手が「あの〜、私、金さんの友達です」と声をかけてきた。そして、「金さんからのお土産も、預かってきました」と…。私が、「今日はよろしくお願いします」と韓国語で告げると、ニコニコしながらタクシーを出発させた。仁川空港へは45分ほどで到着。穏やかな感じの方で、良かった…と、ホッとする。

増えに増えた荷物!しかし、ここからは、やはり私の旅は “珍道中” …タダでは終わらない!」ということを証明するような出来事ばかり…。まず、荷物…である。CDやDVD、マンガ本、それに戴いたり集めたりした資料の数々…。これらに加えて、1週間分の衣服に下着類…。スーツケースの重さが、往きの段階で17.8kg! スーツケースにはキャスターがついているので、重めのモノ…DVDやCD、マンガ本を入れ、衝撃で壊れないように衣類でガードしてある。この写真で、緑色のバッグがあるのを確認できるのだが、「万が一、荷物が増えて、スーツケースに入りきらなかったら…」時のため、出発前日になってスーツケースに忍ばせておいたバッグなのである。が、その “万が一” の状況が実際に起きてしまった。そして、往きにも使用したデーバッグは、2日前に購入したカート(キャスター)で運ぶことにした。それでも、この荷物はキツイ…。

空港内に入ると、長い列が出来ていた。しばらく並んで、やっと私のチェックインの順番が回ってきた。スーツケースを乗せると、これが24kg! 「うわっ、重量オーバー?」と思いきや、「荷物はこれだけですか?」と職員に尋ねられる。荷物を全て見せたところ、「機内には、10kgまでしか持ち込めません。これ(緑のバッグ)は何Kgですか?」と聞かれたので、そのバッグも計量台に載せることにした。すると…36.1kgとの表示が…。昨年はビジネスクラス利用だったので30kgまで預けられたところ、38kgを超える荷物をペナルティ無しで預けたことがある。しかし、今回はエコノミークラス利用である。職員が、「25kgまでなら無料で預けられますが、あなたの荷物は重すぎです」と追い打ちをかける。私が、「じゃあ、この荷物、機内に持ち込んで良いですか?」と言うと、「ですから、機内へは10kgまでしか持ち込めません。預けなくてはなりなせん」との回答…。せっかく購入したCDやDVDなどと捨てて帰るわけにも行かないので、「では、どうすればいいですか?」と聞いてみた。「超過分の料金をお支払いください」と、あっさり。普通に考えると、「36kg−25kg=11kg」となるところ、何やら特殊な計算が始まり、「では、9kg分、46300エンを発見カウンターでお支払いください」と言われてしまった! これにはビックリ! この金額を払うくらいなら、ビジネスクラスを利用したほうがマシである。私が「エン? ウォンじゃないですか?」と聞くと、「はい、ウォンです。発券カウンターで料金を払ったら、またこのカウンターに戻ってきてください」」と事も無げに職員は答えた。発券カウンターでクレジットカードで支払いを済ませ、もとのカウンターに戻ると、「では、お元気で!」とボーディングチケットを手渡された。「あぁ、調子に乗って資料を買いあさるんじゃなかった!」という後悔は全くなく、こうやってサイトのネタになるような出来事を引き起こしたことと、“EXCESS BAGGAGE TICKET” などというモノを入手できたので、結果的には良かったのかも…。

金さんから「飛行機が11時半なら、8時半でも大丈夫では?」と言われたが、「荷物が多いので、8時に(お友達に)ホテルまで来てもらえるよう連絡してください」と頼んでおいた。帰国ラッシュで日本人が大勢いるのではないか…という判断からの依頼だったのだが、ホテルを早めに出ていたおかげで、こういうハプニングが起きても落ち着いて(?)対処することが出来たのである。

そして、またもや長い列を経て、セキュリティチェックを受ける。金属探知器を人が通ると、もれなくキンコ〜ンと反応する。もしかして、誰が通っても反応するのでは?… セキュリティの職員が何かの用で金属探知器をくぐった時、やはりキンコ〜ンと反応した。オイオイ…。そして、その金属探知器に反応した職員が、やたらと私に「オマチクダサイ」「ココデ、マッテクダサイ」「コゼニ(小銭)、ゼンブダシテクダサイ」「ココヲクグッテクダサイ」「ニモツ、ウケトッテクダサイ」などと、やたらに注文を出す。他の利用客には殆ど何も言わないのに、私にだけはやたらと注文する…。

仁川空港で待機中のアシアナ航空
アシアナ航空機をバックに
そして、これまた長い列を経て、出国審査。並んだ時間の割には、あっさりと終了する。その後、搭乗ゲートに向かう。飛行機の出発時間は11時半で、搭乗開始が11時…。私が搭乗ゲートに到着したのが10時半…。やはり、8時にタクシーに乗り込んだのは大正解であった。ゲートから、私が乗り込む機材が見える。アシアナ航空104便は、火曜日と水曜日にボーイング777−200を使用する。往きのエアバス321の倍近くの乗客を運ぶことの出来る、かなり大きめな機材である。おまけに、ボーイング社の最新型の飛行機…。昨年の渡韓時にもユナイテッド航空で使用されていた。全日空の国内線で搭乗したこともある。なかなか乗り心地の良い機材である。予定通り、11時に搭乗開始となった。どういうわけか、日本人観光客(エコノミークラス利用者)は、搭乗開始の気配を察すると、長い列を作り始める。私はそういう列を作ることが他の通行者の迷惑になるので、あまり列作りには参加したくないほうである。その代わり、ゲート近くの席に陣取り、何かあった時に備えることにしている。飛行機は座席が指定されているので、あまり急いで乗る必要もない。ただ、最近はそのために荷物を上部のラックに載せられない状態が続いている。先に乗り込んだ客によって、ラックが占領されてしまうのである。でも、やっぱり列は作りたくない。今日もゲート近くの席で長い列を眺めていた。最初、ファーストクラスおよびビジネスクラスの乗客が搭乗開始となる。そして、エコノミークラス…という具合になる。ゲートはクラスによって異なる場合がある。今回もそうであった。ところが、あまりにファーストクラスおよびビジネスクラスの乗客が少なかったので、そのゲートの職員が、「どうぞ、お入りください」と列を作っていなかった私(および私の周囲にいた人たち)に声をかけてくれた。そのため、長いこと列を作って待っていた人たちよりも先に機内へ入ることとなった。ザマアミロ…である。「急いては事をし損じる」ではないが、慌てずにドッカリとしているほうが良いらしい。機内に入って、自分の席を探す。ボーイング777のコンフィギュレーションは、3×4×3で、AからKの10席である(トリビアではないが、飛行機には “” という座席がない。“” と混同しないためらしい)。私の座席は20K。着席してすぐ、客室乗務員に「ミアナニダ! ミアナニダ!」(すいません! すいません!)と声をかけた。が、その旨には日の丸が…。日本人乗務員だった。そこで慌てて「すいません! この書類を…」と、往きの飛行機で注文した免税品の申込書控えを提出した。「お食事のあと、免税品販売がありますので、その時にお持ちいたします」と言われてしまう。20Kといえば、窓側。私の隣には2人座ることになる。あとで渡したのでは色々と面倒だと思われたからであるが、どうも慌てているように思われてしまったらしい。

アシアナ航空の機内食11時半をちょっと過ぎたあたりでタキシング開始。その5分後、勇ましいジェット音と共にテイクオフ! 水平飛行に入ったところでミールサービス(いわゆる機内食)が始まった。アルミのフタがしてある容器を手で触れてみたら、往きと同様にかなり熱かった! 韓国風(?)にハンバーグとチンゲンサイとニンジンが煮込んであるものにご飯、茶そばのように見えるが味は素麺そのもののソバ、パンにオレンジジュースにスモークサーモンの添えられたサラダがトレイにのせられている。そして、待望の(?)チューブ入りコチュジャンが登場! コチュジャンは、使わないでそのまま持ち帰った。そして食後、例の免税品を持った客室乗務員が現れた。支払いはまだだったので、カードを呈示する。

それから成田到着まで、パーソナルモニターでビデオを見たり、ゲームをしたりする。が、どうもゲームに熱中してハンドセットの「乗務員呼び出しボタン」を何度も押してしまったらしく、そのたびに「お呼びですか?」と声をかけられる有様。恥ずかしいことこの上ない!

成田空港に到着!13:20、104便は成田空港に着陸した。そして、長いタキシングの後、ついにゲート到着。もうここまで来ると、何も走る必要がない。ゆっくり入国審査の窓口へ向かうが、この時間に到着した便がアシアナ航空104便だけだったようで、審査台はガラガラであった。審査を終え、晴れて正式に帰国した私は、荷物をピックアップして税関を通過し、今年初めて日本の土を踏んだ。

関東地方は、今日の気温がここ数日でいちばん低かったらしいが、毎日マイナスの世界にいた私は、到着ゲートを出た瞬間に汗をかいてしまったほどであった。

12月29日の成田泊に始まり、今日まで7泊8日を過ごしてきたわけであるが、こうして旅を終えると「あっという間」という表現がピッタリな心境になる。色々と得ることが多かった反面、反省させられることも多かった。今までにない経験をした反面、今までと同じことのできる喜びも覚えた。

アンニョン ソウル! アンニョン 韓国! アンニョン チングドゥル!(さようなら、友人たち!)

また、会いましょう!